チャド&ジェレミーはゲイリー・アッシャーのプロデュースのもと2枚のアルバムを制作、それまでのフォーク・ロック・スタイルから一気にジェントルなプログレッシヴなサウンドに変貌し、ファンの度肝を抜いた。その内2枚目の『The Ark』はCD化されていたが、67年にリリースされた本作はこれが初めてのCD化である。そしてプログレッシヴ度ではこちらの方が上だ。
それまでのスタンダードナンバーのカバーでアメリカのみでヒットを稼いでいた彼らのイメージとは180度違う驚異のサウンドが楽しめる。アコースティック・ギターとハープシコードを基本に、ストリングスが被り、時にシタールなどを使って、幻想的で透明感のあるサウンドが生み出された。そしてハイトーンのハーモニーは実に美しく、ゲイリーとチャドはカート・ベッチャーを連れて来て、極上のヴォーカルを完成させている。トータルで感じることは、いかにもイギリス人らしいクラシカルな空気だ。事実クラシックの要素が随所に入り、このアルバムを格調高いものにしている。SEをふんだんに入れ様々に表情を変えて行く8分半にも及ぶ大作"Fall"を聴くと、チャド&ジェレミーがいかに進んでいたかに驚かされるだろう。全曲2人のオリジナルである。ボーナストラックには洒落たサウンドを持つ未発表の"Cautionary Tale"など3曲の未発表音源、未CD化の"Sister Marie"のオリジナル・ヴァージョンも収録されていた。
(佐野)

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