ドッチ・ホームバーグはカート・ベッチャーが在籍したゴールドブライヤーズのメンバーで、あり、その後カートに気に入られトミー・ロウやジェムソン、リー・マロリー、フライヤー・タックのバックコーラスに呼ばれた女性ヴォーカリストである。ソロでリリースした音源は一つもなく、その名はコアなカート・ベッチャー・フリークの中でしか知られていなかったが、Sundazedは見事彼女の未発表音源17曲を集め(内1曲は『Magic Time』に収録済)単独のアルバムとしてリリースした。まさに快挙と言えよう。
曲は66年から71年までの録音で、カートが4曲をプロデュース、内1曲はカートの書き下ろしで、サンディ・サルスベリーも1曲書き下ろしている。ドッチは13曲を書き、プロデュースも担当するなど、彼女をただのヴォーカリストだと思ったら大間違いだ。カートがプロデュースの"I Sing My Song"はヴォーカルがくっきり浮き出ており、"Sea Of Tears"はビートが効いていてそれぞれサジタリアス、ゴールドブライヤーズより魅力的な仕上がりだった。そしてカートの書き下ろしの"Foolsh Times"は、牧歌的な歌い出しからアカペラのハーモニーに移行するところがいかにもカートのプロデュース。サンディとドッチの共作"And We're One"は、サンディらしいキャッチーなメロディを持った軽快な快作となった。その他ドッチ作の曲は心引かれるマイナー・メロディを持つ曲が多く、ちょっとハスキーなヴォーカルと合わせてマーゴ・ガーヤンを彷彿とさせる。 ドッチがプロデュースした曲ではいかにもカートのようなハーモニーが付けられているものがあり、カートの大きな影響を感じることができるだろう。驚かされたのは"Love Is"でこのメロディは"サクラサクラ"。これも日本に住んでいたカートからの影響か。
(佐野)

コメントする