Pages

2001年5月24日木曜日

☆Beach Boys:『Hawthorne,CA』(Capitol 72435-31583-2-3)

待望のビーチ・ボーイズのレア・トラックス集が発売された。初登場のもののみ紹介しよう。まずは自宅の住所をタイトルにしただけあって、自宅での "Surfin"のリハーサルからスタートする。 "Surfin' USA"はピアノの弾き語りからドラムも加えたデモへと編集される。歯切れのいいギターに乗った快調な "Shut Down"のライブは65年5月のシカゴ公演より。ボブ&シェリのボブ・ノーバーグを呼んでのまだ単調な "Little Deuce Coupe"のデモ、 "Dance Dance Dance" "Salt Lake City" "And Your DreamComes True"のトゥルーステレオ、 "Kiss Me Baby"の素晴らしいアカぺラを聴くと早く『Today』『Summer Days』のステレオ・リミックスを出せと言いたくなるはず。アカペラのパートを挟んだ "The Little Girl I Once Know"の別テイク、バックトラックのみの "Surfin' USA" "Fun Fun Fun" "Good To My Baby"、そしてガヤガヤ声がオーバーダブされていない "Barbara Ann" "Devoted To You"でディスク1はおしまい。ディスク2は "Can't Wait Too Long"のアカペラからスタート、 "Good Vobrations" のセッションとコンサートのリハーサル、 "Heroes And Villains"のステレオ・シングル・ヴァージョン、 "Vegetables"の笑い声のエンディングのステレオヴァージョン、 "With Me Tonight"のアップテンポ・ヴァージョンと続く。そしていよいよお待たせ未発表曲はキャッチーなメロディを持つ小品 "Lonely Days"で、 "Let The Wind Blow" のステレオ・リミックス、 "I Went To Sleep"のアカペラ、 "Time To Get Alone"の別ヴァージョンと非常にクリアーな音質のナンバーが続き、『Wild Honey』以降のリミックスも聴きたくなってくるだろう。さらに今度はデニスのピアノの弾き語りの美しい未発表曲 "A Time To Live In Dreams"が現れる。 "Be With Me"のバックトラックを挟み、様々な楽器の音が聴こえてきて別テイクと言ってもいいような驚きの "Cotton Fields"のステレオシングルヴァージョン、 "Break Away"のクリアーな別テイク、 "Add Some Music To Your Day" "Forever"の素晴らしいアカペラへと続く。特に "Forever"は美しい。そして "Sail On Sailor"のバックトラックで盛り上がり (おそらく一緒に歌っているはず)、 "Old Man River"のアカペラで誰もが言葉を失うだろう。、まさに絶品、ビーチボーイズの歌の上手さにほれ直したのは私だけではあるまい。
(佐野)

Hawthorne, CA

☆Millennium:『Magic Time』(Sundazed 11102)




待ちに待ったこのミレニウムの3枚組 CD は、これ1枚で今までのミレニウムの CD が全て不要になってしまう程の高いクオリティで作られていた。まずディスク3は『Begin』と "Blight" "Just About The Same"にシングル・ヴァージョンと、Rev-Olaからリリースされていた CD とまったく同じ編集で、既発表音源はこれでパーフェクト。そしてディスク1、2はボールルーム、サジタリアス、ミレニウムのデモ集だが、サンディ・サルスベリーの "Magic Time" "Lonely Girl"という「美味しい」曲をしっかり入れ、『The Second Millennium』『The Millennium Comtinues』のようなラフなデモではない、「聴ける」曲を巧みに選んできている。そしてこの CD のために、いい曲を隠し持っていたのは間違いなく、素晴らしい初登場音源が続々登場する。まずはM.Deasy 作のジャズ・ヴォーカル・ナンバー "Lead Me To Love"、サンディ作の実にキャッチーな傑作 "A Time For Everything"、ハーモニーが素敵な明るいリー作の "Opus To A Friend"、さらに "5 A.M." "Karmic Dream Sequence ♯1"のボールルームのデモ、R.Harris作のサイケデリックな "Sun Arise"を挟み、ゴールドブライヤーズでのベスト・ナンバーだった "Sea Of Tears"のカート&ドティ・バージョンが登場し度肝を抜かれる。その後のカート作でサンディ作と勘違いしてしまいそうなほどキャッチーな "Sunshine Today"、そして同じくカート作のフォーク・ナンバー "DancingDandelion"も聴きもの。未発表バックトラックは "I'll Go Stronger" "Magic Time" "It's A Sad World" "Spinning,Spinning,Spinning" "Love's Fatal Way" "Sunshine Today" "It Won't Always Be The Same" "There Is Nothing More To Say" "To Claudia On Thursday"の9曲。初 CD 化はサマーズ・チルドレンの "Too Young To Marry"、ボールルームの "Baby,Please Don't Go"のエンディングのガラスを壊す音は、シングルと同じく4回に改められた。 しかしRev-Olaのボールルームの CD に入っていたカートの "If You Only Knew"や、サジタリアスの CD のボーナストラックの "Get The Message"というベストの1曲は巧みに外されていた。(佐野)
Magic Time- Millennium Ballroo

2001年5月20日日曜日

Radio VANDA 第 14 回選曲リスト(2001/6/2)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


 
第一特集Happenings

1. See You In September ('66)
2. Lovely Way To Spend An Evening...Four Graduates ('63)
3. Go Away. Little Girl ('66)
4. Goodnight My Love ('66)
5. The Same Old Story ('66)
6. Girl On A Swing ('66)
7. I Got Rhythm ('67)
8. My Mommy ('67)
9. I Believe In Nothing ('67)
10. Randy ('68)
11. Tea For Two ('68)
12. Have Yourself A Merry Little Christmas ('66)...
プロモ盤のみ
13. Quando Vedro ('67)...
イタリア語によるサンレモ祭参加の時のシングル


第二特集Peppermint Rainbow

14. Will You Be Staying After Sunday ('68)
15. You're The Sound Of Love ('69)
16. Good Morning Means Goodbye ('69)...
作曲ニール・セダカ, CD
17. Don't Love Me Unless It's Forever ('69)...
CD


2001年5月13日日曜日

☆Various:『Bob Crewe Presents The Dynovoice Story』(West Side/226)

この2枚組のCDは、待望のボブ・クリューの作品集だ。ボブ・クリューが1965年から68年の間に作った3つのレーベル、DynoVox,DinoVoice,New Voiceで発表した58曲が収録された画期的なアンソロジーである。65年に全米2位と大ヒットしたトイズの "A Lover's Concerto" やミッチー・ライダー&ザ・デトロイト・ホイールズの "DevilWith A Blue Dress On & Good Golly Miss Molly" (4位) "Sock It To Me-Baby"(6位) など大ヒットからコレクターズ・アイテムになっていたビーチ・ガールスの "Ski-ing In The Snow" まで有名無名、ガール・ポップ、フォー・シーズンズ・スタイル、ウォール・オブ・サウンド、モータウン・スタイル、R&B、ロックンロールと様々な曲を楽しめる。もちろんすべてボブ・クリューのプロダクションで、作曲はボブ・クリュー本人からボブ・ゴーディオ、特にトイズを一手に書いていたサンディ・リンツァー=ダニー・ランデルの作品が主流。一番のお気に入りは難しいが、キャッチーで巧みな転調が心地よいクリュー作、Laine Hillの "Time Meaches On" がいいかな。フォー・シーズンズファンはクリュー=ゴーディオのJessica James And The Outlawsの「We'll Be Makin' Out」 が最高だろう。お洒落さでは群を抜くクリューとチャールズ・フォックスが書いたグリッターハウスの "Barbarella"も収録されたこの作品集、ポップス・フリークには絶対だ。(佐野)
Bob Crewe Presents the Dyno...

2001年5月9日水曜日

☆First Class:『The Essential Collection Of The First Class』(EM/1013)


ジョン・カーターとトニー・バロウズが生み出した名ユニットがこのファースト・クラス。注目は全20曲中9曲をしめる未発表で、これで幻のサード・アルバムもほぼ網羅という嬉しい選曲だ。未発表曲でおすすめは冒頭の "Coney Island"72年の録音とファースト・クラスの作品としては早すぎるが、出来は文句なし。同じく72年のカーターの未発表作品 "Can't Believe My Eyes"も歯切れのいいリズムとハーモニーが見事にマッチしている。どちらもバロウズの参加はなく、カーターのソロだろう。また既発表曲でもファーストアルバムの名バラード "What Became Of Me"、高揚感のあるセカンドアルバムの "Life Is Whatever You Want It To Be"もいいなあ。解説はカーター&バロウズ研究の第一人者、浅田洋さん。(佐野)


☆Mike Love:『First Love/Country Love』(Parkside/DP00-18-1/2)

マイク・ラブが1978年に制作し、そのままおクラ入りになってしまった2枚のアルバム『First Love』と『Country Love』がブートとして登場した。この内『First Love』は既にハニーズの5曲の未発表曲とカップリングで『The Honeys/Unreleased & Mike Love/First Love』というブートで聴くことが出来たのだが、その内容はメロディ、サウンド共に十分な出来で、発表されたカバー曲ばかりの『Looking Back With Love』をはるかに凌ぎ、なぜ未発表にしてしまったのか未だに理解できない快作だった。マイク・ラブを「ブライアンの才能にすがるだけの無能な男」のような書き方をする人がしばしばいるが、そんな偏見を軽く吹き飛ばす出来なので、ビーチ・ボーイズ・ファンは是非聴いて欲しい。曲はこの当時のコンテンポラリーな作りが施され、冒頭の軽快な "First Love"でまず引き込まれるだろう。キャッチーなコーラス・パートを持つ "Too Cruel"、牧歌的で優しいメロディ・ラインの "Viggie"、親しみやすいバラード "The Right Kind Of Love"に加えて、マイクの隠れた傑作 "Brian's Back"、翌年ビーチ・ボーイズで使われる日本語のない "Sumahama"が収められていた。加えてこのCDにはアルバムのアウトテイクが5曲収められた。『Country Love』はまったく初めて聴くもので、その名のとおり曲はみなカントリー。私は個人的にカントリーが苦手なので『First Love』の方が断然好きなのだが、その中では最もキャッチーな "Wrinkles"がコーラスも爽やかでおすすめ。ただこのCD、音質がよくないのが残念。『First Love』はハニーズと一緒のブートの方が音がいい。(佐野)



☆John Carter:『The Essential Works In The Studio 1963-1982』(EM/1012)

こちらはジョン・カーターのデビュー初期から82年までの約20年間のワークスを追うヒストリー集だ。この作品集での未発表曲は全21曲中7曲だが、その中での個人的なおすすめは、覚えやすいメロディを持つOmega Theatreの "Robots Machines andSilicon Dreams"とちょっとエスニックな感覚もあるジョン・カーターのソロ "One More Mile To Freedom "かな。他はフラワーポットメンの "Let's Go To San Francisco"や、キンケイドの "Dreams Are Ten A Penny"、ファースト・クラスの "Beach Baby"などの大ヒットも入り、「ベスト・オブ」の作りににもなっている。この CD の解説ももちろん浅田洋さん。(佐野)

☆OST:『サクラ大戦3:御旗のもとに』(エイベックス/14140)

Web VANDAでは珍しく、ゲームのテーマソングを紹介しよう。ゲームはドリームキャストのキラー・ソフト、「サクラ大戦」は家族中で夢中になったものだがこちらは続編。ここではその内容は触れない。この主題歌はオーケストラ・アレンジが見事で、ゲームの時代、大正ロマン風のレトロさと、舞台のパリの洒落た感覚が見事にミックスして実に心地よい作品に仕上がっていた。このメリハリ、オーケストレーションの華麗さは、私が日本でワン・アンド・オンリーと崇拝する冨田勲のセンスと共通するものだ。アコーディオンの間奏の切り替えも実にいい。作曲は田中公平、編曲は根岸貴幸と、『ワンピース』のコンビ。この2人のワークスは目が離せない。(佐野)



☆スプリングス:『秘密のカレイドスコープ』(Vivid Sound/VSCD253)

待望のスプリングスの3枚目のアルバムがリリースされた。前作『Picnic』より3年、日本で最高のクオリティのソフトロックを生み出すスプリングスは健在だった。まず弾むリズムとウォームフルなハーモニーに包まれるキャッチーなタイトル曲 "秘密のカレイドスコープ " がいい。ヒロの作だ。モーリン作ではシャッフルビートのお洒落な "A New Day"が素晴らしい。特にサビのコーラス・アレンジが見事で思わずうっとり。もう一人のツヨシはラテンのインストナンバー "モンテカルロの休日"を残している。全5曲のミニ・アルバムだがこれはおすすめ。(佐野)