Millennium:『The Second Millennium』(TYO/0027)


  カート・ベッチャーのソロ・ワークに続き、今回はいよいよミレニウムのデモ・テープ集が登場した。全14曲中、ミレニウムのアルバムに実際入った曲は2曲だけで、前述のカートのソロに入っていた曲が1曲あったが、残りの11曲は、初お目見えの曲ばかり。

その11曲の内8曲がマイケル・フェネリーがジョーイ・スティックもしくはリー・マロリーと書いた曲で、さらにミレニウムの2曲も彼の曲と、このアルバムはマイケル・フェネリー・デモ集とも言うことができるだろう。さて、肝心な曲だが、そのシンプルな演奏はいかにもデモ。しかしマイケルはサンディ・サルスベリーに継ぐメロディ・メイカーであり、演奏は軽快、ハーモニーも十分で、出来のいい曲は多い。特に哀調を帯びた美しいバラード「The Ways I Love You」、ラテン風味の浮遊感漂う「Suspended Animation」、弾むビートが爽やかな「Dying With You」、キャッチーなフックが心地よい「A Younger Me」は傑作。サンディらが書いた「I Just Don't Know How To Say Goodbye」のコーラスも魅力的だ。全体的に曲はフォーク色が強いものが多く、次いでカントリー、乾いたロックもあり、試行錯誤をしながらのバラエティに富んだ曲をこのミレニウムのプロジェクトは大量に作り出し、その中から取捨選択していたようだ。ただ完成度という点ではあくまでもデモ・レベル、これだけ聴けば普通のフォーク・ロックだが、『Begin』ではプログレッシブなソフト・ロックに劇的に進化する訳で、その変化は驚異としか言いようがない。カート・ベッチャー、そしてゲイリー・アッシャーの才能の凄さを逆の意味で思い知らされた。

(佐野)

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このページは、Kunihiko Sanoが2000年7月 4日 18:10に書いたブログ記事です。

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