Flowerpot Men:『Peace Album/Past Imperfect』(Repertoire/4883)


このCDは本当に素晴らしい。その価値といい、内容といい、ブリティッシュ・ポップ/ロックのベスト・リイシューの1枚だ。

イギリスを代表するソングライターのジョン・カーター、そしてケン・ルイスはフラワー・ポット・メン名義で67年に自作の"Let's Go To San Farncisco"を発表したところ全英4位と大ヒット、しかしまだ2人はアイヴィー・リーグにいたためツアーなどこなせず、コーラスなどを担当していたトニー・バロウズ、ピート・ネルソンら4人を「フラワー・ポット・メン」と名乗らせ、計5枚(フレンズ名義も含む)のシングルを発表する。しかしどれもヒットに結び付かず、4人はホワイト・プレインズに名前を変え、ライバルのソングライティング・チーム、ロジャー・クック&ロジャー・グリーナウェイのもとへ行きヒットを連発することになるのだが、その間に生まれたのがこのCDのトラックだった。カーター&ルイスは、69年から70年の間に、フラワー・ポット・メン用に2枚のアルバムをレコーディングしていた。1枚は『Peace Album』、もう1枚は『Past Imperfect』と名付けられ、歌はカーター&ルイスとピーター・バーンファーザーの3人で録音され、プロデュースは前者がカーター&ルイス、後者がジョン・カーターが単独で行った。カーター&ルイスはフラワー・ポット・メン用にサイケデリックなコンセプト・アルバムを作ろうと自分達で録音をしたものの、それを聴いた先のトニー・バロウズらの「フラワー・ポット・メン」はもっとコマーシャルなものを望み、ホワイト・プレインズと名前を変えてカーター&ルイスのもとを離れていった。そのため、この2枚のアルバムは今までオクラ入りになっていたのだが、こうして30年ぶりに現在に蘇った。過去のフラワー・ポット・メンのCDのボーナス・トラックに収められた7曲を除くと14曲が初登場。さてその内容だが、素晴らしいメロディと美しい歌声、賛美歌のような気品あるハーモニー、サウンドはアコースティック・ギターの音色を生かしながらストリングスを交え、時にサイケデリックなアプローチも見せる。全体を覆う透明感、ポップでいながらブリティッシュらしさを感じさせるトラッドな感覚、カーター&ルイスの最高傑作がここに生み出されていた。深遠な"Prologue"からヘヴィなリフのギターの"These Heavy Time"へ移り、ブリッジで違和感なくファルセットの美しいハーモニーへ変化していく様はまさに至福。また"Now And Then"ではアコースティック・ギター、エレキ・ギターがラテン・パーカッションを交えたリズムに見事に乗り、そこに完璧なハーモニーが覆う。私は今までカーター&ルイスを過小評価し過ぎていたようだ。

(佐野)

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このページは、Kunihiko Sanoが2000年7月 4日 18:32に書いたブログ記事です。

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