2000年2月27日日曜日

☆Symbols:『The Best Part Of The Symbols』(EM/EM1005CD)




 お待ちかね、待望のエム・レコードの第5弾は60年代のイギリスのハーモニー・ミュージック・シーンをハーモニー・グラスと共に飾るシンボルズの登場だ。ハーモニー・グラスと同じエセックス出身の彼らはミッキー・モストに見いだされ、コロンビアから65年にデビュー、2枚のシングルを出した後、設立されたばかりのプレジデント・レーベルに移る。そして66年にハプニングスのカバー「See You In September」のカバーをリリースするのだが、これ以降72年までの8枚のシングルとアルバム1枚の全音源(シングルと全て重なっているが)に未発表8曲をプラスした全24曲がこのCDに一挙収録された。内容は素晴らしいのひとこと。『Rag Doll』の頃の華麗なフォー・シーズンズのハーモニー。そこにブリティッシュ・ビート・グループの力強いビートが加わった。ビーチ・ボーイズやアソシエイションのような精緻なハーモニーではないが、ハーモニーの解放感が抜群で、シンボルスにはフォー・シーズンズやハプニングスと同様のハーモニーのセンスがある。このセンスは非常に大切で、例えばムーディー・ブルースはここが欠けているのでいくら重ねてもハーモニーに解放感がない。A面になったロネッツ・ナンバーの「The Best Part Of Braeking Up」、「Do I Love You」やフォー・ーシーズンズのカバー「Bye Bye Baby」などの有名曲のカバーもいいが、個人的にはオリジナルのシングルB面曲「To Make You Smile Again」、「The Gentle Art Of Loving」や、オリジナルのA面の「A Lovely Way To Say Goodnight」の方が全盛期のハプニングスに通じるポップ・センスが溢れていて個人的に好み。(佐野)

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