1998年6月3日水曜日

☆Tony Rivers : Tony Rivers Harmony Works 1971-1993 (EM/1003)

これはトニー・リヴァースが1971年から1993年までに発表、もしくは録音した作品を、トニー・リヴァース自身の意向も尊重して選んだ、まさにベストの作品集。
まずいきなりMagic Bus "Finders Keepers" にノックアウトだ。Salt Water Taffyの名曲を、原曲の雰囲気を壊さずにさらに厚いコーラスで包み、オリジナルを超えた。そしてテリー・メリチャーの知られざる作品 "My Mum" をビーチ・ボーイズ・スタイルで爽やかに聴かせてくれるIndiana。がらりとコンテンポラリーなサウンドに変わるのがトニー・マコウレイ作のRiver "A Little Thing Like Love" 。そしてロックン・ロールやバラードのナンバーなどが続いていくが、その中で気に入ったナンバーを紹介すると、70年代から今につながるブライアン・ウィルソンのサウンド作り、特にキーボードの使い方を見事に表現してみせたThe Brian Bennet Band "The Girls Back Home" 。バック・コーラスにはクリフ・リチャードも参加していた。C&WフレイバーのサウンドにハーモニーがマッチしたShine "Candy Girl" もいいし、トニー本人が書いた作品を追えばトニー・マコウレイのサウンドを彷彿とさせるSilver Liningのキャッチーな "Bye Goodbye" 、美しいバラード "I Wonder If Anything" 、ロック・ビートにメリハリの効いたハーモニーを乗せたHollywood Freeway "This Feeling Called Love" 、ソウルフルなRiverHollywood Freeway "You Are The Song" 、クリスマスの定番になっても不思議がない傑作 "Home For X'mas" とどれも素晴らしい作品ばかりだ。そしてトニーの自家薬籠中とも言えるアカペラは、フォー・シーズンズとは違う解釈を見せた "I've Got You Under My Skin" 、クリスマスを彩る "X'mas Magnificat" 、本 CD の最後を飾るビーチ・ボーイズの "And Your Dream Comes True" の3曲が収録された。こういった傑作が並ぶ中、トニーのアレンジの力を見せつけたFreshmen "Swanee River" も是非じっくりと聴いて欲しい。あのフォスターのスタンダード・ナンバーを、原曲がまったく分からなくなるほどの編曲とコーラス・アレンジで現代に別の曲として蘇らせた。(佐野)








 



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