Montanas : You've Got To Be Loved (Sequel/994)


 モンタナスはイギリスのグループで、65-70年の間にPiccadellyとPye、MCAで9枚のシングルをリリースしたのみでアルバムのリリースはなく、ヒットも "You've Got To Be Loved" がイギリスのレコードワールドで39位、アメリカのビルボードで58位にランクされたのみだ。しかしMCAのシングル1枚以外の全音源を集めた本 CD を聴くと内容のいい曲を数多く作り出していたことが分かる。
デビューの "All That Is Mine Can Be Yours" はマージー系、セカンドの "That's When Happiness Begun" はR&B調でいまひとつあか抜けないサウンドだったが、トニー・ハッチがプロデューサーになったサード・シングル "Ciao Baby" から一気に洗練されたサウンドに変貌した。ハイトーンのヴォーカルにコーラスがからみ、アコースティック・ギターのストロークをベースに生かしながらビートの効いたサウンドを響かせる。メロディもキャッチーだったが、同時期に大ヒットしたフォーチュンズの "You've Got Your Troubles" に似ていたのが失敗だった。続く "Take My Hand" はアドリシ兄弟の書いたキャッチーなこれぞヒット・チューンという快作だが、これもなぜかヒットせず。驚いたのは、この曲はミレニウムのリー・マロリーがカート・ベッチャーのプロデュースでリリースしたセカンド・シングルと同じ曲だったのだ。両者を比べるとハッチのプロデュースの方がサウンドもクリアーだし出来がいい。2枚連続ヒットしなかったので、ついに御大トニー・ハッチが自作を提供した。それが "You've Got To Be Loved" である。流麗なメロディと聴かせどころに配される心引かれるフレーズはさすがハッチとしかいいようがない。続く "A Step In The Right Direction" もハッチ作だが、エキゾチックなメロディはいいが少々アダルトなサウンド過ぎてヒットせず。それよりもB面に多く配されているメンバーのオリジナル曲の "Someday" が明るいポップ・チューンでこちらはなかなかいい。さらに7枚目のシングルの "You're Making A Big Mistake/Run To Me" はどちらもハッチが書いた。A面は出だしのメロディはいいのだが、詰めが少々甘い。それよりB面の方がトニー・ハッチらしいポップさが出ている。ここでハッチが離れ8枚目のシングルはオリジナルの "Roundabout" で勝負したが、出来は悪くはないがやはり質の低下は否めなかった。17曲目以降は未完成のアルバム用の未発表トラックが10曲続くが、どれも出来はなかなかいい。その中でも驚いたのがロジャー・ニコルスの "Let's Ride" だ。あの爽やかさを少しも壊していない素晴らしいカバーで、ロジャー・ニコルス・ファンはこの1曲のためだけでも買う価値がある。97年のベスト・リイシューの1枚と自信を持ってお薦めしたい。
(佐野) 

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このページは、Kunihiko Sanoが1997年5月22日 18:08に書いたブログ記事です。

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