92年にインディ・レーベルより「Bed Finger」でデビューしたキャッシュは、95年にはセクサイトよりプロジェクト・キャッシュ名義で「No Royalty」をリリースしていた。どちらも全部英語で歌われ、ビートルズ、バッドフィンガー、10CC、ELOなどを彷彿とさせるサウンドでUKポップ・フリークを狂喜させていた。そして今年、初めて全曲日本語の詞でアルバム「Pass」をリリースした。
作曲はキャッシュの中心、太田シノブと、 VANDA の読者ならご存じのスプリングスの渡辺博之。渡辺は前作ではメンバーの一人として12曲中9曲を作曲しており、現在でも密接な関係にある。肝心な出来だが日本語にして大正解、見事に歌詞がサウンドに乗っている。そしてギターを生かしたギター・ポップ・サウンドとハーモニーがとてもいい。メロディもポップさが増してこのアルバムがベストだろう。特に渡辺の書いた "Hurt" はダンサブルながら胸を締め付けられるような色気があり、最高。同じく渡辺の "Smile" はブライアン・ウィルソンが書いたようなメロディ、サウンド、コーラスを持ちこれも必聴である。そして太田の書いた流麗なソフト・ロック・ナンバー "シャワー" が "Hurt" と並ぶアルバムのハイライト、冒頭のギター・ポップ "醒める日" もいい。これはお薦め盤だ。前2作のUniversal Victorよりリイシューされる。
(佐野)

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